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じんわりと情緒
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よしもと ばなな

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よしもとばななさんを初めて知ったのは、図書館でそろそろラノベ以外の本を読んでみないといけない気がすると、謎の読書欲に目覚めた私が本棚を1つ、また1つと読破している最中でした(ちなみに私の学生時代にはラノベと言う言葉はありませんでした。ジュニア小説とかジュブナイル小説とか、何かそんなの)。

綺麗な表紙だからと手にとって「TUGUMI」を読んで、本当に驚きました。
何でこんなに綺麗な文体でひどい事を書ける人なんだろうと。
個人的に、大島弓子先生の「綿の国星」を同時期に読んだのですが、それと同等の衝撃を受けました。

優しい世界観で、当たり前の事しか書いていない。
なのに、経験している人にとってはこんなに悲しい事はない。
そんな当たり前な事を淡々と書けるすごい人だなあと言う印象を受けました。

さてさて。
これもまた、よしもとばななさんの情緒溢れる悲しさを綴った話です。



主人公のみつこは母親を亡くしました。
今はおばさんの家で住んでいます。
そんな中、父親が町にアルゼンチンビルと呼ばれるアルゼンチンからやってきた女性アルゼンチンババアの住むビルに引っ越したと聞きます。
家族なのに何の相談もなく何でと、アルゼンチンビルに父親に会いに行った所で、アルゼンチンババアと呼ばれる女性、ユリさんと出会います。

明らかに日常とかけ離れた場所にも関わらず、何故か懐かしい。
父親は何故かこの人に入れ込んでしまっているのに、何故か許してしまう。
母親が繋ぎとめていた家族がバラバラになっていたのに、何故か元の鞘に収まってしまった。
そんな話です。

何ていうんでしょう。
この話は、「分かる」人と、「分からない」人がいるなあと思いました。
私は、読みながら、亡くなった祖父の事を思い出しました。
祖父は、いるのが当たり前の人でした。
よく祖父の部屋で遊び、祖父は新しいものにも割と寛容な人だったので、私や相方や従弟達を楽しませるために、テレビゲームやCDデッキも貸してくれました。何で持っていたのかはよく分からないのですが。祖父は私達が遊んでいるのを、ロッキンチェアに座ってにこにこしながら見ている、そんな人でした。
祖父が亡くなった途端、従弟達と遊ぶ事もなくなり、祖母宅にもなかなか行かなくなりました(ちなみに祖母は月一で我が家に呼んだり食事に行ったりしているので会っている事には普通に会っています)。
本当に少なくなった祖父の部屋を訪れる時、ツンと悲しい気分になるのです。
悲しいって言うのは、そういう事なんだろうなあと思いました。

だから、その悲しさを乗り越えろとか言うのではなく、悲しさを持って生きてもいいと言われるのは、普通に生きている上ではまずないものです。残された人には、残されただけの人生がありますから。
それを許してしまうと言うのが、ユリさんの最大の美徳なんだろうなあと思いました。

悲しいとかじゃなく、切ないとかじゃなく、何とも言えない世界。
目をつぶると、不思議とアルゼンチンビルが想像できました。
 
姫つつじ | プレビュー | comments(0) | trackbacks(0) |
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